展示パネルの“デザイン費用”、どうしてその価格なの?

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前回は展示パネルやポスター制作に関する相場価格をご紹介しましたが、デザイナーに見積もり依頼をした際、「デザイン費用の単価は一体どういう根拠で決まっているのだろう?」と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。今回は、その「デザイン費用」について深掘りして解説したいと思います。

*あくまでも一例です、デザインの難易度により変わります

デザイン費用は作業工数をベースに算出している

作業工数=人件費

デザイン費は、エンジニアさんや職人さんと同様で、制作デザイナーひとり1hあたりの「人工 (にんく)」をベースに算出しています。人工 は専門職の派遣スタッフさんを1人入れたときにかかる時給のようなものとかんがえるとより身近になるかとおもいます。

工数の相場(肌感覚で)

会社所属・フリーランス、駆け出し・ベテランなど幅がありますが「2,000〜6,000円/h」くらいかなと考えます。

算出方法:
グラフィックデザイナーの平均年収*から割り出して →→ 2,065円/h
*平均年収の参考・出典:グラフィックデザイナーの年収・給料は?(デジタルハリウッドwebサイト)より

1万円・5万円・10万円〜青天井 幅が広いデザイン費

では、仮に展示パネルデザイン1枚を依頼したとして、3人のデザイナーからデザイン費それぞれ1万円・5万円・10万円の見積もりが上がってきたとします。3人はどのような内訳でこの金額を算出したのでしょうか。
*単価はイメージです、印刷費用は省いた例です

1万円の場合

上で算出した単価から考えると、駆け出しのデザイナーなら5hくらいで作業するレベルとなります。
5hでできる作業のボリュームは、パワポで仕上がっているデザインを印刷用の.aiデータに作り変えする、ほぼデザインのトレースに近い作業、そして後の修正対応は別途お見積りかなと解釈します。
5h=午後の業務時間内に受注〜完成と置き換えて考えると、若干無理がありますね……。

納期も2〜3営業日内にはすべてを終わらせたい感じです。

5万円の場合

デザイナーの単価を仮に4千円/hとして、12.5h(1.5日弱)かかる仕事と考えられます。
たとえば、8hかけて初校案を作成→提出、2校を3hかけて作業→提出、校了〜入稿準備作業に1.5hです。すこし現実的な数字になってきましたね。
8hあればデザイン案をまとめることはできそうですが、ある程度作られた原稿案・文章・使用したい画像などの材料はクライアント側が準備することが前提になってくるかもしれません。デザイナー側で写真を探したり、イラスト・作図、コピーリライト(いわゆる企画・ディレクション的な作業)などが入ったり、3校以上の修正があると12.5h内ではちょっと厳しいので、以降は別途お見積となってしまいそうです。

受注から納品まで2〜3週間くらいの仕事量かなと思います。

10万円の場合

同じように考えていくと、25h(約3日弱)かかる仕事ということになります。
このくらい工数をかけられると、簡単なコピーのリライト、使用画像の提案(購入費用は別途)など、支給された原稿案をもとにアレンジを加えてより良いデザインに作り込んでいく余裕が生まれます。または3校くらいまでの対応が費用内でできるかもしれません。

受注から納品までだいたい3〜5週間くらいの感覚です。

青天井要素

原稿材料の準備が難しい、構成から依頼したいという場合はデザイン費用のほかに、「企画・ディレクション費」「イラスト制作費」「3DCG制作費」「コピーライティング費」「画像準備費」「撮影費」なども別途かかってくるでしょう。こちらは求めるクオリティにより金額に幅がありますので見積額に大きな差ができがちです。

印刷会社・ブース施工会社・デザイン制作会社でも違う

制作会社も様々です。目的や予算に合わせて選定しないと、せっかく作ったツールも「思っていたのと違った」となってしまうかもしれません。

それぞれ強みが違う

印刷会社なら自社工場を持っているので印刷費用はかなりお安いですが、デザイナーを多く抱えていないのでデザインは苦手。ブース施工会社は、ブースのデザイン設計施工はお手のものですが、紙の印刷やポスターなどのデザインは専門外。デザイン制作会社は総合的にデザインを提案することはできますが、印刷やブース設営は協力会社頼みです。

目的にあった業者選定を

原稿制作が内製できて、とにかく費用を抑えたい場合は 印刷会社へ印刷だけ相談。デザインから相談したい場合は、ブース施工会社 or デザイン制作会社へ。ブース設営がない展示会の場合は、デザイン制作会社に相談するのがおすすめです。

印刷会社とデザイン制作会社の見積の違い

この2社で見積もりを依頼した場合、金額の幅が広くなってしまうことが多いので、なぜそうなってしまうのかを解説したいと思います。
*ブース施工会社さんは専門性が高いので比較からは一旦省きます、、

自社工場で出力〜加工対応可能か

自社工場でパネル出力〜加工ができる印刷会社の場合、印刷に関する費用は安く提供ができます。デザイン制作会社の場合は、付き合いのある工場などに依頼(外注)するので、どうしても出力費に営業諸経費を何パーセント上乗せさせる必要があるため、印刷会社の金額を割増した金額になりがちです。
印刷会社であっても自社にオンデマンドの大判出力機を持っていない場合は外注になります。

制作担当者はDTPオペレーターかディレクターか

DTPオペレーター:
印刷用データ制作のスペシャリスト、印刷会社に多く所属
おもにデザイナーが作成したレイアウトをもとに印刷用のデータを作成する人たちです。デザイナーの卵。
営業、デザイナーの指示のもと制作を行います。

ディレクター:
企画構成から丸投げOKの頼れるスペシャリスト、デザイン制作会社に多く所属
デザイナー歴10年オーバーくらいの人たちが多く、小さい会社の場合は進行管理、営業も兼任しています。

1人あたりの単価も、オペレーター<デザイナー<ディレクター と上がっていきます。

印刷会社の場合はデザイナー+オペレーターのチーム、デザイン制作会社の場合はディレクター+デザイナーのチームで制作にあたることが多いです。
クオリティを重視するならデザイナー、ディレクターが在籍しているデザイン制作会社がおすすめ。

どっちのプロか

印刷会社は印刷のプロなので印刷を安く提供でき、デザイン制作会社はデザインのプロなのでハイクオリティのデザインを提供できます。そこが少なからず見積もりに反映されています。

おまけ

重視するポイントも加味

コスパ重視: 印刷会社
タイパ重視: デザイン制作会社

という考え方で検討されるのもアリなのかなとおもいます

展示パネル・デザイン制作でお困りの際には、ぜひ弊社にご相談ください!

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