最近、関西方面で開催される展覧会イベントのポスターデザインに関してこんなリクエストがありました。
「イベントのタイトル内に “EXPO 2025” を入れたい」
「EXPO」という言葉は、展示会・イベントの名称としてよく使われています。それにプラス年号がついただけのタイトルなわけですが、2025年には大阪・関西万博が開催されることもあり、ふと疑問に……。
「”EXPO2025″って、自由に使って大丈夫なのか?」
万博とは関係のないイベントであっても、「EXPO」という単語を使うことで何か問題が起こる可能性はあるのでしょうか? 今回は、この点について詳しく調べてみました。

「EXPO」という単語は自由に使える?
結論から言うと、「EXPO」という単語自体は一般名詞なので、基本的には自由に使えます。
しかし、使用の仕方によっては、大阪・関西万博(EXPO2025)と誤認されるリスクがあり、場合によっては制限がかかる可能性もあります。
1. 「EXPO」は一般名詞
「EXPO(エキスポ)」は、もともと「展示会」「博覧会」という意味の英単語です。そのため、多くのイベント名に使用されており、例えば以下のようなものがあります。
- 「フードEXPO」(食品関連の展示会)
- 「テクノEXPO」(技術系の展示会)
- 「ゲームEXPO」(ゲーム業界の展示会)
これらは、特定の企業や団体が「EXPO」という単語を独占しているわけではないため、自由に使用されています。
2. ただし「EXPO2025」は商標登録されている
「EXPO」という単語自体には制限がありませんが、「EXPO2025」は日本国際博覧会協会が商標登録している公式名称です。
そのため、「〇〇EXPO2025」や「EXPO2025 フェア」といった使い方をすると、商標権の侵害や誤認を招くリスクがあるため注意が必要です。
特に「EXPO」と「2025」が組み合わさると、大阪・関西万博の一部と誤解される可能性が高くなるため、注意が必要です。
今回のポスターデザインはセーフ?アウト?
当初のタイトル案には「EXPO 2025」と年号が含まれていて、これは万博の公式イベントと誤認される可能性がありました。そこで、「2025」を外し「〇〇 EXPO」といった名称に変更することで、万博との誤認リスクがなくなり、問題なく使用できるようになりました。
安全に使えるケース
次のようなイベント名であれば、「EXPO」という単語を使ってもOK。
- 「デザインEXPO」(業界向け展示会)
- 「〇〇業界EXPO in Osaka」(大阪開催の専門展示会)
- 「スマートテックEXPO」(テクノロジー系の展示会)
これらは「EXPO2025」とは直接的な関連がなく、一般的な博覧会の名称として使用されているため、制限なく使えます。
誤解を招く可能性があるケース
以下のような表現は、万博と関係があると誤解される恐れがあります。
- 「EXPO 2025」 → 万博の公式イベントと誤認される可能性
- 「大阪EXPO」 → 万博関連のイベントと勘違いされるリスク
- 「関西EXPO」 → 万博と関係があると誤解されやすい
万博とは無関係であるにもかかわらず、大阪・関西という地名と組み合わせることで誤認リスクが高くなるため、慎重に判断する必要があります。
避けたほうがよいケース
以下のような表現は、公式イベントと誤解される可能性が高く、使用NGです。
- 「EXPO2025関連イベント」(実際には公式ではないのに、関係があるように見える)
- 「EXPO2025に向けた〇〇展」(公式プロジェクトの一部と思われる可能性)
- 「EXPO2025公認 〇〇EXPO」(公認を受けていない場合、誤解を生む)
これらの表現は、大阪・関西万博と関係があると誤認されるリスクが高いため、注意が必要です。
「EXPO」を使うなら、誤解を招かない工夫を!
「EXPO」という言葉自体は自由に使えますが、誤解を招かないようにするための工夫も必要です。
1. 万博との関係がないことを明確にする
ポスターやイベントの説明文に、小さくでも良いので「*本イベントはEXPO2025とは関係ありません」と注釈記載すると、誤解を防ぐことができます。
2. 万博の公式デザイン要素を使わない
ポスターのデザインでEXPO2025のロゴやマスコットの「ミャクミャク」を勝手に使うのはぜったいNG。公式イベントと誤解される可能性があるため十分に注意が必要です。(白地に青+赤の配色でタイトルが「EXPO」も使い方によってはグレーと判断)
他にも注意が必要な例が
今回のケースでは、「EXPO」という単語自体は自由に使えるものの、「2025」を付けることで大阪・関西万博と誤認されるリスクが生じました。こうした“特定のイベントと結びつくと制限がかかるケース”は、他にもあります。
例えば、こんな例も……
以下の名称は、商標として登録されており、特定のルールのもとでしか使用できません。
「オリンピック」関連
- 「Olympic 2024 応援キャンペーン」→ NG(国際オリンピック委員会の商標)
- 「スポーツフェスティバル 応援キャンペーン」→ OK(オリンピックと関係のない表現)
「ワールドカップ」関連
- 「サッカーワールドカップ2026応援フェス」→ NG(FIFAの商標)
- 「サッカー国際大会応援フェス」→ OK(ワールドカップと関係のない表現)
「EXPO」という単語自体はもともと「展示会」や「博覧会」を指す一般名詞ですが、「EXPO 2025」のように使うことで、大阪・関西万博の公式イベントと誤認されるリスクが生じます。
一方で、「オリンピック」や「ワールドカップ」は、もともと固有名詞であり、それぞれ国際オリンピック委員会(IOC)やFIFAによって管理されている商標です。そのため、これらの名称は特定のルールのもとでしか使用できません。
「EXPO」は一般名詞でありながら、特定のイベント(万博)と結びつくことで誤認のリスクが生じる点、
「オリンピック」や「ワールドカップ」は、もともと固有名詞であり、使用に制限がある点、
この2つは異なる要因ではありますが、いずれの場合も特定のイベントやブランドとの関連性があると誤認されることで、使用に注意が必要になる点では共通しています。
イベントタイトルを考える際には
こうしたリスクを避けるために、以下の点を事前に確認することが重要です。
- この言葉は一般的に使われているか?
- 特定の団体やイベントの商標として登録されていないか?
- その使い方が公式イベントやブランドと誤認される可能性はないか?
適切な表現を選ぶことで、商標のリスクを回避しつつ、誤解のないイベント名称やプロモーションを行うことができます。
まとめ
今回のケースでは、「EXPO 2025」という表現が万博の公式イベントと誤解される可能性があったため、「2025」を外すことで問題を回避しました。同様に、他の大規模イベントや有名ブランドに関連する名称を使う場合も、誤認リスクをしっかり考えることが重要です。
ポスターやイベントのタイトルを考える際には、「この言葉は一般的に使われているか?」「特定の団体やイベントの商標として登録されていないか?」を事前に確認し、適切な表現を選ぶようにすることが大切です。
「EXPO」は使えるが、慎重な判断を!
- 「EXPO」は一般名詞なので、基本的に自由に使える!
- ただし、「EXPO2025」と混同されるような表現には注意が必要。
- 「EXPO2025」や「大阪EXPO」など、万博と関係があるように見える表現は避ける。
- 誤解を招かないための工夫(説明の追加やデザインの調整)を行うと安心。
「EXPO」という言葉は多くの展示会で使われていますが、万博の開催が近づくにつれて、万博との関係を誤解されるリスクも増えてきます。デザインやイベントタイトルを考える際は、しっかりとリスクを回避しつつ、適切な表現を選ぶことが重要ですね!
追記
このブログ記事は商標を侵害しているのか問題
このブログ記事では、「EXPO2025」「オリンピック」「ワールドカップ」といった言葉を、「商標に関する注意点」を解説する目的で使用しています。
これは「商標の正しい使い方を説明する記事」であり、商標を誤って商業利用しているわけではないため、基本的に問題ありません。
とのことです(AI調べ)
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